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あくあの物語(今となっては遠い昔話)
今とは違う時間、違う場所での物語です。(※1)
あくあは角うにゅうのラボに遊びに来てました。
遊びとはいえ、目的がありました。
‥‥それは、角うにゅうの何気ない一言から始まったのです。
● ● ●
先週の日曜日に、あくあのiMacの調子が悪かったので、角うにゅうがあくあのお家に来て、直してもらったのです。
「あくあ、ちょっと面白いものを作ったんだ。今度遊びに来ないか?」
その帰り際に、角うにゅうがあくあに言いました。
「(角)うにゅう、面白いものって何?」
あくあは目をきらめかせ問いかけます。
「秘密。来てのお楽しみだな。」
角うにゅうはそっけなく答えます。
● ● ●
角うにゅうはいつも、とんでもないものを作っては、あくあを呆れさせています。
例えば、G4Cube(※2)を再生して灰皿を作って、わざと煙を出してはあくあを脅かしたり、USB→ADB(昔のMac専用バス規格)変換コネクタを自作して、Type2エラー(※3)を出したり‥‥。
実際のところ、ろくな思い出がありません。
しかし、それでもなお、角うにゅうはあくあにとっては『Macの師匠(※4)』とも呼べる謎生物。
どんな下らないものだとしても、あくあをときめかせるには充分です。
「その子を持ってきて欲しいんだ。いや、あくあには重いだろうから、俺も手伝うよ。」
その視線の先には、今しがた角うにゅうの手によって調子を取り戻した、iMacの姿がありました。
そのデスクトップがKaleidscope(※5)によって飾られています。
「うん!」
不安があるものの、二つ返事であくあは答えました。
● ● ●
こうして、今日は角うにゅうの部屋、通称『ラボ』にあくあはおじゃましています。
「よいしょっと。」
角うにゅうとあくあが大きな机にiMacを乗せています。
そのキッチンテーブル(※6)の上には、ココアの入ったマグカップとペプシの缶、その他ハンダや使い道のよくわからない機械が並んでいます。
あくあの部屋が「女の子の部屋」なら、この部屋はさしずめ「研究室」か「秘密基地」といったところでしょうか。
グレーのカーペットにモール(電源線をカバーするアレね)が敷かれ、あちこちにタップがあります。
高いスチールの棚には歴代のマッキントッシュやAppleII、本物かどうかは分かりませんが「Alto」と銘された機械まであります。
エアコンは静かに、しかし懸命に沢山の機械から出される熱を冷まそうと動いています。
「ねえ、(角)うにゅう。うちの子をどうするの?」
二つ返事で承諾したものの、やはりあくあは思います。
(「わくわく」なんて、言えないよう。壊されたりしないかなぁ。)
不安でいっぱいです。
そんなあくあの不安をよそに、角うにゅうは目の前の事に夢中になっています。
そう、あくあのiMacの側面に手をかけ、パネルを開けて‥‥。(※7)
「ん、うーん。」
角うにゅうは上の空です。
と、突然、椅子から身を乗り出し、キッチンテーブルの上の「基盤」のようなものを小さな手に取りました。そして、
「この前、この子が調子悪かっただろ。これを付ければ少しはマシになるぞ。」
と言いました。もちろん、ウソです。大ウソです。
角うにゅうがあくあを安心させるための、でっち上げです。
しかし、残念な事に、あくあはそれを真に受けているようです。
「ありがとう、(角)うにゅう。」
なんて言ってます。
※1 ドルアーガの塔の書き出し部分からのパクリ。
※2 お米ちゃんも愛用のDTM者にオススメのMac。俺も欲しかった。
※3 実際ハードウェアのエラーに関しては違う気がするが、まぁいいや。
※4 Macを買うと付いてくる。いやさ、買うと群がってくるが正解か?
※5 "万華鏡"という名前のMac用ソフトウェア。非実用の代表として名高い。
※6 新井素子のエッセイ中にも、キッチンテーブルが程よいと出てたねぇ。
※7 現行機種とはハッチの位置が違うかも?
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